(一財)土木研究センター/刊行物/出版物抄録

土工構造物の性能の評価と向上の実務

 

 道路分野では、道路土工構造物技術基準の制定(平成27年3月)、道路土工構造物点検要領の制定(平成29年8月)、落石対策便覧の改訂(平成29年12月)など、盛土を含めた土工構造物に対する設計・施工・維持管理のための義務的な技術的対応の必要性が求められています。また、近年の地球温暖化に起因した豪雨による斜面崩壊、土石流被害、越流破堤・浸水被害や、地震による複合構造的な災害など、自然災害による土工構造物の被害が顕在化しており、その対応が急務となっています。
 このような土工構造物を取り巻く背景の変化の中にあって、制定された基準、要領などの遵守と適切な運用が求められていますが、土工構造物には固有な地域性、不均一性、不確実性などにより、解決すべき課題が多くあります。そのため、実務として取り組むには、基準類の背景にある諸課題を掘り下げて具体化するとともに、その解決のための具体的な対処方法を提起することは必要かつ有効になります。 
 本書で取り扱う内容は、土工構造物に関わる課題を網羅するものではありませんが、基準類で規定された事項、技術的に確立されたものに留まらず、今後の取り組みの方向性、基準類の運用に際しての課題を提起すると共に、全てではありませんが、それらの対応方法を例示しています。なお、本書は平成26年(2014年)10月に一般財団法人土木研究センターが発行した「盛土の性能評価と強化・補強の実務」の後継になります。

 

編   集 :

一般財団法人 災害科学研究所 土工構造物の性能向上技術普及研究会
 

発 行 所 :

一般財団法人 土木研究センター

 

本体価格 :

3,500円(税抜)

 

発    行 :

2019年8月


 
目 次

第1章 土工構造物の性能評価の課題と対応

1.1

工構造物の定義と性能に関する課題

1.2

性能区分の意義・効用と方法

1.3

みなしの位置付け

  1.4 技術的な裏付け方法・検証方法
  1.5 性能評価のための指標と算出方法
  1.6 土工構造物の連続性・粘り強さ
     

第2章 地震動の設定と適用

2.1

地震動の分類

2.2

現行の基準類による地震動の設定

  2.3 地震動の適用事例
 

第3章 土工構造物の設計・施工・維持管理

3.1

性能設計と施工・維持管理

3.2

道路土工構造物

  3.3 道路以外の構造物

3.4

落石の特性・評価・対策

  3.5 土工構造物の性能設計例


   

第4章 土構造物の浸透挙動把握と排水対策
 

4.1

概要

 

4.2

土構造物の水分分布

    4.3 土構造物の含水状態把握
    4.4 土構造物における排水対策
    4.5 土工構造物の排水対策効果の評価手法
    4.6 通行規制
 

第5章 土工構造物の健全性評価
 

5.1

土工構造物の健全性に関する既往の研究・事例

 

5.2

盛土の健全性

 

5.3

切土の健全性

 

5.4

補強土壁の健全性

 
  あとがき
  付属資料
  研究会委員および執筆者

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