平成22年度下期における「なぎさ総研」の研究成果

 

 2011年3月11日の大津波により、2万8000名以上の方々が亡くなられ、もしくは行方不明になられたこと、海に係わる者としてなんとしても残念です。亡くなられた多くの方々の冥福を祈ります。同時に、あるレベルの津波を「想定して」堤防などの対策施設を造ることにいささかでも預かってきた一技術者の40年間の努力も根底から覆された思いです。思考を変えないといけないと考えています。
 一方で大津波が起こるまで、日々淡々と研究を進めてきました。これらもきちんと整理しておくことが将来に役立つと思い、従来同様整理しました。2010年10月から2011年3月までの下半期に発表した論文のリストは次のようです。海岸工学論文集が19件、著作が1件、雑誌「地形」が3件、水工学論文集が3件、土木技術資料が1件、日本海岸林学会研究発表会講演要旨集が1件の、合計28件です。特に著作については、homepageでどなたでも無料でdownloadできますので、興味ある方は是非ご覧ください。

   

[海岸工学論文集]

1)

古谷真広・小林昭男・宇多高明・野志保仁(2010):粗粒材養浜に伴う細砂の堆積助長と礫の打込み予測,海岸工学論文集,第57巻,pp.456-460.

2)

下山陽平・小林昭男・宇多高明・芹沢真澄・野志保仁(2010):海面上昇・下降時におけるバーム形状の変化予測モデル,海岸工学論文集,第57巻,pp.461-465.

3)

古池 鋼・宇多高明・細川順一・塩入 同・石川仁憲・芹沢真澄・三波俊郎(2010):海底谷への土砂落ち込みの定量予測モデル-国府津海岸への適用,海岸工学論文集,第57巻,pp.471-475.

4)

芹沢真澄・宇多高明・横澤 綾(2010):海岸線が急変する場での砂嘴の発達予測,海岸工学論文集,第57巻,pp.476-480.

5)

宇多高明・清野聡子・三波俊郎・柴ア 誠(2010):深浅データに基づく宮崎県赤江浜の大規模地形変化の解析,海岸工学論文集,第57巻,pp.491-495.

6)

渡辺剛士・小林昭男・宇多高明・芹沢真澄・三波俊郎・野志保仁(2010):未固結の地層からなる崖と汀線の後退予測モデル-上総湊〜磯根崎の侵食の再現-,海岸工学論文集,第57巻,pp.496-500.

7)

下山陽平・小林昭男・宇多高明・石川仁憲・遠藤将利(2010):西湘海岸の大磯地先における礫の堆積状況調査,海岸工学論文集,第57巻,pp.546-550.

8)

宇多高明・三波俊郎・石川仁憲・平田邦夫・大橋則和・岩本仁志(2010):清水海岸北部における2006年以降の海浜変形の実態,海岸工学論文集,第57巻,pp.571-575.

9)

宇多高明・宮原志保・芹沢真澄・三波俊郎・石川仁憲・平田邦夫・大橋則和・岩本仁志(2010):清水海岸の砂嘴北端部でのサンドリサイクルの影響評価,海岸工学論文集,第57巻,pp.576-580.

10)

元永 秀・丸山將吾・磯貝朋之・宇多高明・宮原志帆・芹沢真澄・石川仁憲(2010):高波浪時における中砂成分の選択的流出に起因する海浜変形の再現,海岸工学論文集,第57巻,pp.581-585.

11)

宇多高明・石川仁憲・三波俊郎・湖内真帆・進藤 豊・和田 昌明(2010):定点カメラ画像の判読と幾何補正法による養浜効果の定量的測定,海岸工学論文集,第57巻,pp.591-595.

12)

諏訪義雄・山田浩次・宇多高明・宮原志帆・芹沢真澄・石川仁憲(2010):高波浪に伴う沖の細砂堆積域での地形変化と掘削による汀線後退の機構,海岸工学論文集,第57巻,pp.606-610.

13)

土子浩之・宇多高明・今井和敏・日向野 崇・丹 邦敏・野志保仁・熊田貴之・酒井和也(2010):神向寺海岸での粗粒材養浜後の海浜変形の追算と小宮作・下津海岸における海浜復元計画の検討,海岸工学論文集,第57巻,pp.636-640.

14)

石川仁憲・宇多高明・古池 鋼・鮫島 強・吉岡 敦(2010):湘南海岸における土砂の質(粒径)と量を考慮した土砂管理計画の検討,海岸工学論文集,第57巻,pp.641-645.

15)

宇多高明・石川仁憲・古池 鋼(2010):前浜養浜時における礫の拡散抑制手法,海岸工学論文集,第57巻,pp.646-650.

16)

宇多高明・田代洋一・石川仁憲・古池 鋼・三波俊郎・芹沢真澄(2010):混合粒径土砂の盛土養浜時の広がり予測,海岸工学論文集,第57巻,pp.651-655.

17)

岡辺拓巳・青木伸一・宇多高明・芹沢真澄・加藤 茂(2010):漁船の操業データを用いた沖合海底地形の変動解析について,海岸工学論文集,第57巻,pp.696-700.

18)

宇多高明・藤原博昭・上橋 昇・大木孝志・田代洋一・酒井和也(2010):皆生海岸の人工リーフの嵩上げの効果に関する実験,海岸工学論文集,第57巻,pp.891-895.

19)

足利由紀子・清野聡子・宇多高明・畦津義彦・菖蒲明久・三原博起・小森信二・渡辺誠治・酒井和也(2010):中津干潟沖での覆砂の岸向き移動機構,海岸工学論文集,第57巻,pp.1181-1185.

 

[著作]

1)

Uda, T. and M. Serizawa (2010): Model for predicting topographic changes on coast composed of sand of mixed grain size and its applications (Chap. 16), pp. 327-358, in 'Numerical simulations-examples and applications in computational fluid dynamics' Angermann, L. ed., INTEC.
http://www.intechopen.com/articles/show/title/model-for-predicting-topographic-changes-on-coast-composed-of-sand-of-mixed-grain-size-and-its-appli

 

[地形]

1)

芹沢真澄・宇多高明・三波俊郎・横澤 綾(2010): 海岸線が急変する場での砂嘴の発達予測, 地形, Vol.31, pp.403-422.

2)

宇多高明・辻岡雄樹・西村隆吉・西岡陽一・星上幸良・小澤弘樹・野志保仁(2011): 福井県水島における防波堤の建設に伴う海浜変形, 地形, Vol.32, pp.29-48.

3)

芹沢真澄・宇多高明(2011):海岸線急変部に発達する円弧状砂州周辺に建設された突堤による漂砂阻止の影響予測, 地形, Vol.32, pp.49-63.

 

[水工学論文集]

1)

宇多高明・望月美知秋・鴨川 慎・三波俊郎・渡辺宗介・石川仁憲(2011):霞ヶ浦浮島地区におけるSpur dikeを用いた動的安定湖浜の創生,水工学論文集, 第55巻,pp.1543-1548.

2)

岩瀬光平・小林昭男・宇多高明・芹沢真澄・野志保仁(2011):動的平衡地形としての河口沖テラスの形成に関する実測と計算,水工学論文集, 第55巻,pp.1549-1554.

3)

清野聡子・足利由紀子・宇多高明・三原博起・渡辺誠治・沖 靖広(2011):大分県中津干潟の舞手川河口部護岸セットバック後の砂丘と植生帯変化のモニタリング,水工学論文集, 第55巻,pp.1687-1692.

 

[土木技術資料]

1)

宇多高明・芹沢真澄・熊田貴之(2011):韓国西岸の江華島・大川・独山の海岸踏査,土木技術資料,Vol.53-3,pp.54-57.

 

[日本海岸林学会研究発表会講演要旨集]

1)

星上幸良・宇多高明・柴崎 誠・萩野裕章(2010):海岸林の生育阻害と海岸保全に関する一考察-宮崎県沿岸の実例をもとに-,平成22年度日本海岸林学会研究発表会講演要旨集, pp.41-44.


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