(一財)土木研究センター/刊行物/月刊誌土木技術資料抄録/平成20年

平成20年6月 報文抄録

【特集報文】 道路橋部材の新技術評価

七澤利明・玉越隆史・小澤敦夫

<抄録> 新技術評価の具体的な事例として、国道17号の亀泉高架橋における鋼コンクリート合成床版の評価に関して、(1)合成床版の設計基準と検証方針、(2)上部構造の耐久性、(3)上部構造の耐震性、(4)維持管理、(5)床版の品質管理および(6)上部工の出来高管理の観点での具体的な検証内容を示した。

<キーワード> 道路橋、亀泉高架橋、鋼コンクリート合成床版、新技術評価

【特集報文】 道路橋下部構造の新技術開発と評価の課題

中谷昌一・竹口昌弘

<抄録> 道路橋下部構造における技術開発として,維持管理上の弱点となりやすい伸縮装置や支承を省略したインテグラルアバット橋,地盤改良を活用して基礎本体のスリム化をねらった複合地盤基礎などを例に取り上げ,それらの技術開発と評価の現状と課題について述べる。

<キーワード> 下部構造,維持管理軽減,耐震性向上,インテグラルアバット,複合地盤基礎

【特集報文】 橋梁の新耐震技術の性能検証のための標準実験手法の提案

運上茂樹

<抄録> 性能規定化を背景として、新技術の性能検証においては、それが所定の性能を満足しているかどうかをどのように評価するかが重要となる。本文では、新技術開発の性能検証を行うために提案する1つの標準実験法の要点を示すとともに、鉄筋コンクリート橋脚を対象とした新技術開発について実験的に検討を行った事例を示す。

<キーワード> 新技術、耐震技術、性能検証、標準実験手法

【特集報文】 道路橋の新技術評価の現状と課題

玉越隆史・七澤利明

<抄録> 道路橋の設計・施工等を例に、新技術として扱われるものの考え方や着目点、新技術評価の背景について示すとともに、(1)提案の自由度と評価体制・期間の不整合、(2)技術の複雑性および(3)知見や技術の不足の観点から、新技術評価にあたっての課題と対応の方向性について考察する。

<キーワード> 道路橋、新技術評価、逸脱、性能規定、技術審査

【特集報文】建設技術審査証明事業における回転杭工法の技術審査の現状

鶴飼貴昭

<抄録> 建設技術審査証明協議会では、「建設技術審査証明事業」における技術審査を公平かつ中立な視点で実施するために、関係する会員間で審査水準の整合を図っている。ここでは、土木分野の基礎杭工法において、近年、本事業の依頼が多い回転杭工法を例として、協議会における技術審査の現状について紹介する。

<キーワード> 建設技術審査証明事業、回転杭工法、技術審査、審査水準

【報文】 過給式(加圧)流動炉の開発

落 修一・岩井良博・寺腰和由・鈴木善三・大庭賀夫

<抄録> 循環型社会の創造や地球温暖化対策に寄与する新しい技術が求められている。下水汚泥等の有機性スラリーや緑地等の管理から発生する草木材を対象として、従来のエネルギー消費型の焼却炉に替わる新しい省・創エネルギー型の燃焼炉「過給式(加圧)流動炉」を開発したので報告する。

<キーワード> 焼却炉、加圧流動炉、過給機、下水汚泥、バイオマス、エネルギー

【報文】 地域社会における構造変化に関する考察

鈴木 学・川崎秀明・大橋幸子

<抄録> 近年の産業構造等の変化に伴い、人口減少が進む中山間地域等の地域社会の構造が変化し、国土保全上の機能の低下が起きていると考えられる。そこで、地域社会の担っている機能について分析した。その結果、地域社会の担う国土保全上の価値が大きいものであり、地域社会の持続が国土管理上も重要であることが明らかになった。

<キーワード> 人口減少、中山間地域、地域構造、国土保全、ソーシャル・キャピタル

【土研センター】 歩道用凍結抑制弾性舗装の実道への適用に向けて

小野田光之、倉持智明、樫野誠、森嶋洋幸、稗田満

<抄録> 歩道利用者の安全性や快適性を向上させるため、熱伝導率が低くかつ凍結抑制剤を含浸できるゴム製の弾性舗装(廃タイヤをひじき状にしたゴムチップを配合したプレキャストタイプの弾性舗装版)を歩道に用いる方法について検討を行ったものである。

歩道用凍結抑制弾性舗装

<キーワード> 弾性舗装、歩道、ゴム版、凍結抑制