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SHRPジャイレトリー試験機に関する共通試験

 1987年10月から1993年3月まで,アメリカ合衆国を中心に道路に関する研究計画(SHRP;新道路研究計画)が行われ、その中で舗装用の材料規格や舗装の設計方法に関する広範な検討がなされた。その結果、アスファルト系バインダーに関する材料規格や,アスファルト混合物の配合設計方法が,SUPERPAVE (Superior Performing Asphalt Pavement)という形でとりまとめられ、配合設計においてアスファルト混合物の供試体を作製する際に、ジャイレトリー試験装置(以下、GTM)の使用が決定された。

 GTMは円筒供試体の垂直方向から上下圧を加えた状態で、その軸にジャイロ(旋回)運動を与えて供試体の締固めを行うものであり、マーシャルランマによる突固めと比較して施工現場での転圧や交通荷重による締固めに近い締固め機構を持つと言われている。

 わが国へは、1994年(平成6年)頃から、SUPERPAVEのアスファルト混合物の配合設計法が紹介され、その後、建設省土木研究所をはじめ多くの機関で、GTMの適用に関する検討が実施された。

 TPTでは、1996年度(平成8年)〜1999年度(平成11年)に、“ジャイレトリーコンパクタ共通試験”が実施された。

 初年度は、5メーカ10台のGTM にて3種類のアスファルト混合物を対象に、GTMの構造に起因するメーカ間と作業工程での人的誤差に起因する締固め特性の差異を把握することを目的に共通試験が行われた。

 次年度以降は、12台のGTMにて、混合物の混合方法、投入方法、整形方法の違いによる締固め特性の差異を把握することを目的に共通試験が行われている。

 この期間中に検討されたGTMに関するデータは、下記の論文集に成果公表されている。

  • 久保和幸、池田拓哉;SHRPジャイレトリー試験機に関する共通試験について、第53回土木学会年次学術講演会論文集、pp.2-3,1998年10月
  • 久保和幸;ジャイレトリー試験装置に関する共通試験、舗装Vol.33,No.9,pp.4-7、建設図書、1998年9月
  • 久保和幸、伊藤邦彦;ジャイレトリー試験装置に関する共通試験(第1報)第22回日本道路会議論文集(B)、pp.304-305,1997年12月